雑感2・くすんだスプーンをまず認めるということ

岡田斗司夫は「自分が楽しむことに資格が必要だと思っていないこと」をリア充の定義としました。

 

前提として、言ってる意味が分からない人は全員リア充でしょう。

あえて説明すると、例えば職場で飲み会があったとき、学校でクラスの団欒を見たとき、SNS上で盛り上がってるのを見たとき、平気で入っていける人間がリア充です。

 

「自分がここにいること」に疑問を持たない人種。

 

逆に「自分がここにいること」について不安を抱く人種、それが非リアです。

 

例えば“斜陽”の中で自らを「快楽のインポテンツ」と称した太宰治なんかは、よっぽどの非リアです。何をしても楽しいと思えない土台には、そもそも自分がこんなことをしていていいのだろうかという不安がありました。

 

何故分かるのかというと、僕自身が完全にそういう人種だからです。

 

 

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『アンダーカレント』についての所感・原罪の河の合流点の、水面に浮かぶ膿

「あたしが死ねばよかった」

 

 

キリスト教によると、人間は罪を背負って生まれてきたようだ。その罰として労働が課せられただとか。

それらはもちろん嘘であるが、人々を支配することにおいて、人間の「罪と罰」という機能は便利だったことだろう。

何か失敗してしまったときに感じる良心の呵責、罪悪感、苦しみ。そんなときに「こうすれば救われますよ」と罰を与えてくれる宗教。キリスト教なんかに顕著なのは、生まれながらにして罪を背負っていると教育するわけだから、そのサイクルにさえ巻き込めばそら発展するわなーと思う。(ディスってるわけじゃありません)

僕が思うに、原罪というのは、確かにある。ただ、人類に課せられた運命とかではなく、生まれてから背負う呪いだと思う。

 

豊田徹也著「アンダーカレント」は、呪いを被った3人の男女の物語だ。

 

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ぼくのかんがえたさいきょうの「アニメ・マージナル・オペレーション」前編

1000%妄想です。

 

マージナル・オペレーションが好きすぎるので、アニメ化するならこんな感じがいいなぁという願望をまとめてみます。

 

不快になられる可能性もあるので、マージナル・オペレーションが好きな人ほどブラウザバック推奨です。

 

僕の乏しいアニメ知識を総動員し、かつこれなら有り得なくもないんじゃないか? というギリギリのラインを狙ってます。

 

※ネタバレも1000%

 

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『マージナル・オペレーション』についての所感・優しさの輪郭、濁流の中のファンタジーと現在地

「私が後進国のかわいそうな子だから、ですか?」

 
ジブリールは尋ねた。
まるで、自分に問われたようだった。僕はこの言い方をされるまで、無意識のうちに子供のことを自分より下に見ていたのだと気付けなかった。
 
「そんなわけあるか。しまいにゃ怒るぞ」
 
主人公アラタは、そう答えた。図星だったわりには、模範的な回答だった。
 
…僕ならなんと返答するだろう。
 
金で取引される子供達、国家間での様々な利権と経済的に必要とされる戦争、宗教・民族による対立、外交におけるカードとしての軍隊、命の値段、そして命より大事なもの。
 
君の周りの環境が、この世界が間違っているんだ、と言うのは簡単だ。
けどこの世界って?  平和というぬるま湯に浸かっている僕に、何が語れる、いや、語る権利があるというのだろう。
 
無知は罪だ。それが、読みながらずっと頭を離れなかった感想だ。
 
日本は、現在進行形で濁流に飲み込まれている。そして、それを自覚している人間は少ない。僕も含めて。