おすすめマンガ100選・前編
これをやりたいがためにブログ開設しました笑。
決め事は3つ。
・同作者の作品は1つに限る
・もっと知られてほしい、またはもっと評価されてほしい作品を選定基準とする
・なるべく多ジャンルに展開する
エログロなんでもござりで書いてますので、苦手な方はお戻り下さい。
また、ネタバレのない程度に作品から台詞を引用していますが、それも不快な方はブラウザバックを推奨致します。
では、どうぞー。
1.モジャ公
「しょくん!!ほとんどの宇宙人は地球人のことをまるで理解していないのです」
宇宙の様々な星を冒険する、SFブラックコメディ。この作品を藤子先生の最高傑作として挙げる方も多いのではないでしょうか。個人的に好きな話は「自殺集団」、1万年も死人が出ていない星で、生きることに飽いた人々のために自殺フェスティバルが開催される話。
2.煩悩寺
「何故気付いてしまったんだろう 気持ちの良い酔いと 美しい炎と 例年にない暑さと 非日常感のせいなんだろうか 大切な友人と 大切な存在とが ずっと側にいてくれると信じられるほど 私は単純ではなくなっている……と」
20代半ばの男女の、リアルすぎる恋愛もの。内面描写がほんとに繊細で、いちいち共感してしまう作品。あと基本的ににイチャイチャしてるだけなので、ただただ幸せになりたい方にオススメ。ていうか小沢さんが可愛すぎる。
3.とても透明で やさしい しあわせ
とても透明でやさしいしあわせ (IKKI COMIX rare 7)
- 作者: 三友恒平
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/05/07
- メディア: コミック
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「じゃあ僕が、僕やユカを殺してまで欲しかったものは何?」
三友恒平の送るシュールな短篇集。各物語の結末から、作者の考え抜いた思想みたいなものを感じ取れる作品集。「しぬまで」は山の奥で戦車と女の子に出会う話で、作者の歪んだ愛情(というか承認欲求というか)を感じられて面白いです。
4.f人魚
「ある日 波打ち際で一冊の絵本を拾いました その本に描かれた世界は美しく儚く 私の心を魅了したのです」
BL好きの人魚と、彼女を研究したい院生を中心に繰り広げられるコメディ4コマ。高橋留美子や漫才コンビのアンジャッシュのような、すれ違い劇が好きな人にオススメ。
5.ストロボライト
「そう、ここでは前のものが後にだってなるのだから。終わりが始まりをつくったりもする。」
メタ青春恋愛マンガ。過去と現在と虚構が同時進行します。憶測でモノを言うのは良くないですが、青山景って自己の解離性に苦しんでたんじゃないのかなぁて思うんですよね。先生、よいこの黙示録、最後まで読みたかったです…。
6.ふうらい姉妹
「多分、いでんこのなせる業ね」
アホな妹と、その斜め上をいく姉がメインの4コマ。ツッコミ不在の恐怖とはこのことでしょう。
7.セルフ
「人間はね、みーんな性器の奴隷なのよ。」
自慰行為を未経験でセックスをしてきたイケメンが、オナニーの快感を覚え、その道を追求していく話。爆発してほしい要素がふんだんに詰まってるのに憎めない主人公。「俺は変態じゃないしな。ただオナニーを探求しているだけだ。」これは名言。
8.Spirit of Wonder
Spirit of Wonder (KCデラックス モーニング)
- 作者: 鶴田謙二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/08/20
- メディア: コミック
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「僕は 小さな友達の命を救いたいんだ」
鶴田謙二の送るSF短篇集。妙にリアリティのあるSFアイテムが特徴、大人向けのドラえもん、のような印象を受けました。
9.わたしは真吾
「奇跡は誰にでも一度おきる だがおきたことには誰も気がつかない」
恐怖作品で有名な楳図かずおが、ロボットに着目して描いたSF作品。…といっても怖いです。無機質な恐怖といいますか。「漂流教室」とどちらを選ぶか迷いましたが、形而上学的なテーマが好きなのでこちらをオススメさせていただきました。
10.ありがとう
「ここ数年かくりかえし何度も見る夢だ。そんなことしたこともないのに、したいと思ったこともないのに」
半年ぶりに父が帰った家は、不良たちに占拠されていた。
※エロ&胸糞注意です。胸糞悪くなりたいという奇特な方にオススメ。全4巻分読むだけで、10回以上は「こいつ死ね」と思うシーンに遭遇できます。山本直樹の描く女体ほんと好き。
11.黒
「俺にはお前を守る…自信が…ないんだ…」
「GANTZ」の作者の短編集。奥浩哉独特のエログロが詰め込まれた作品集。個人的には「観察日記」がクレイジーで好きです。
12.少年少女
「君は死んでもなお与え続けるのか」
福島聡の、現実に則した、しかし不思議な短篇集。思春期のほろ苦さを独特の世界観で描いています。
13.オーパス
「まったく…あんな男が神様とはね」
漫画家の作者が作品の中に取り込まれてしまうメタフィクション。今作品にはメタ構造が常ですが、それが最も端的に現れてると思います。
余談ですが今作品では「東京ゴッドファーザーズ」が一番好きです。
14.ぼくの地球を守って
「悔しいかい? 悔しいなら不幸になっちゃダメだぞ 絶対だ」
学生生活と前世の記憶がリンクする物語、SFもあり。いわゆる前世ものを流行らせた作品ですね。少女漫画のノリってちょっと苦手なんですが、そんなこと気にならないほど続きが気になる話でした。
15.ギャグマンガ日和
ギャグマンガ日和―増田こうすけ劇場 (巻の1) (ジャンプ・コミックス)
- 作者: 増田こうすけ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/09
- メディア: コミック
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「変態じゃないよ、仮に変態だとしても変態という名の紳士だよ!」
予測不可能のギャグ漫画。数々の天才的フレーズを是非。「ひかえざくら」とかの発想ほんと天才。
16.この世の終りへの旅
「ぼくは皆さんのことが嫌いでした」
サブカル全開。フランツ・カフカの小説のようなストーリーに、アーティステックな絵。読み手に読解力を要求する作品です。いやしかし、ほんとに絵が美しいです。
17.銃夢
「私はそんな世の全てを憎む! 熱力学第二法則を憎む!」
SF少年漫画。熱力学第二法則はエントロピー増大の法則で、湯は勝手に冷めるが逆はないっていう不可逆性のことですね。少年漫画でありながら、常に人間の根本的なところを追求する物語。「究極の問いを発し続けろ!」とか哲学的で大変良いですねー。ラスト・オーダーがどう決着つくのか楽しみにしてます。
18.幸せのひこうき雲
「今日も罪深い者の勝ち…」
転校生の少年と、歪んだ女教師の話。ただのエロ漫画かと思ってたら、詩的な表現がかっこいいです。同作者の「さくらの唄」は思春期に出会わなくてほんとに良かったと思います。
19.虫と歌
「生まれてよかった」
市川春子の作品集。読むと優しい気持ちになります。なんとなく僕は宮沢賢治の小説を思い出しました。物語の持つ空気感と、キャラクターの献身と。
20.夏の前日
「創ることって 創る作業してるあいだだけじゃなくって 人生ぜんぶが関わってるよね」
芸大生と画廊店長の大人の恋愛もの。恋愛における不器用さ、身勝手さの描き方がとても丁寧(特に男の最低さが)。
21.ウルトラヘヴン
「死に直面すると究極の脳内物質が出るっていうよな 話してみろよ何が見えた?」
麻薬のCMをやるほど一般化された世界の話。話もさることながら、麻薬でトリップしてるときの表現力がアートのよう。
22.ゆゆ式
「なんつってっつっちゃった」
日常萌え4コマ。正直こういう日常系ってあんま読まないんですが、ゆゆ式は好きです。 何がいいって、キャラ同士の会話や距離感がめちゃリアルなとこ。徹底的に無意味なとこ。漫画なのに言葉の発音のニュアンスやリズムに訴えかけてて、感性を試される感じ。とかですね。
23.ハルシオン・ランチ
「人生に負けた」
金を持ち逃げされたホームレスのもとに現れた宇宙人とのコメディ。リアルタッチの絵にぶっとんだギャグがくせになります。
24.からくりサーカス
「運命は近づき、心は遠くなる」
超王道少年漫画。…ややダーク気味ですが。感情移入してしまうキャラクターたち、練りに練りこまれた設定と構成、後半にいくに従って伏線を回収していく流れは圧巻。
25.prism
prism (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)
- 作者: 東山翔
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2012/04/12
- メディア: コミック
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「私ははじめから少女に恋をしていたのかもしれない」
内面描写に凝った日常系っぽいノリの百合漫画。女の子可愛いし、百合入門に最適ではないでしょうか? 唇の描き方エロすぎ。
26.ミツバチのキス
「まるで間違える事が人生だったような気すらする」
触れることで未来が読める宗教団体の元教祖と、おっさん刑事の話。オススメしといてアレですが、読んでて辛くなってきますね。なかなか心を抉ってくる作品です。表現が非常に素敵で、一番好きな言い回しは「彩度の高い黒 黒以上の黒」です。いちいち表現が素敵なんですよね。
27.ニッケルオデオン
「寝返りで変わるようなイニシアチブなのに」
道満晴明の不思議な短篇集。切ない気持ちになったり、ほんわかした気持ちになったり、やるせない気持ちになったり、多種多様な物語が詰め込まれた短篇集です。
28.クズの本懐
「主張するものって嫌い 個性なんて他人は求めてないもの」
成就しない本命への恋の代替として、恋人の契約を交わす男女の話。ぶっちゃげ絵が好みやったから買ったのですが、内容にハマりました。まさに「クズの本懐」、タイトルに偽りなしです。
29.晴れた日の絶望が見える
晴れた日に絶望が見える―あびゅうきょ作品集 (バーズコミックススペシャル)
- 作者: あびゅうきょ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/02
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「…とにかく遠くへ…ずっとずっとどこまでもイヤな毎日が見えなくなる終着駅まで行きたいのです。」
「この絶望的影男の物語は、現在日本に生きる若き「いらない男性」そのものの姿。」作者あとがきより。このおすすめ100選の中で、ある意味一番ヤバいマンガかもしれません(思想的に)。
30.魔方陣グルグル
「ただし魔法は尻から出る」
RPGパロディギャグマンガ。人生で一番笑ったマンガですね。キタキタ親父、ギップル、ワンチンなど一生忘れられないであろうキャラを大量に排出した作品。ライオン師匠とか1コマしか登場してないのに死ぬほど笑いましたね。
31.超伝脳パラタクシス
「人間痛い」
日本で最も頭のおかしい漫画を描く人の1人、駕籠真太郎の描くSF短編。巨人を改造して道具・兵器・インフラとして使っている世界。
※グロ注意です。
32.バベルの図書館
「自由なんて紙の上にはないよ?」
紙を触っただけで文章を読める少年と、天使を信じる電波少女の、非常に哲学的な物語。時系列も現実と空想(のようなもの)が入り乱れてて、色んな解釈が出来そうな話。
33.ネムルバカ
「先輩 最近は情報が周りに多すぎて 自分レベルの人間がどの地位止まりか早い段階で見えちゃうんですよ」
「ぬるま湯に頭まで浸かったような、でも当人にはそれなりに切実だったりもする〈大学生〉という不思議な時間」本の裏に載ってる紹介文が見事だったので引用しました。石黒正数の見つける法則や、そのネーミングセンス好きです。
34.リューシカ・リューシカ
リューシカ・リューシカ 1 (ガンガンコミックスONLINE)
- 作者: 安倍吉俊
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/06/22
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「アニー、かみはしんだ」
すぐに空想の世界に入り浸る少女の何気ない日常を描いた作品。基本はギャグなんですが、子供独自の視点で見る世界が斬新で、はっとさせられることが多々。あと僕、安倍吉俊の絵がめちゃくちゃ好きなんです。表情やら、色使いやら、ファッションやら。
35.ラフ
「おれが女の子に対してそんなことを言ったのは、お前がはじめてなんだぞ。少しはおちこんでみせたらどうなんだ。」
野球漫画でお馴染みあだち充の水泳青春漫画。個人的にあだち充最高傑作はラフだと思うんです。人間関係の変化が面白いです。
36.Garden
「ママが言ってたっけ “良い魂をもつ人”が死ぬと鳥さんになるって」
※エログロ注意です。
古屋兎丸の短篇集。宗教、哲学、セックス、形而上の出来事と形而下の出来事が入り乱れてる作品ばかり。それを古屋兎丸の画力が見事に表現しています。マンガってほんとアートですねー。
37.こぐまレンサ
「こぐまは鏡、自分の心を映す鏡」
売れない小説家が悪魔の契約によって“こぐまちゃん”を召喚する話。これに関しては一言だけ。最後まで読んで下さい。
38.サユリ1号
「ナオヤ先輩みたいに、ささいな優越感と劣等感をちょこまか往復してる人が、見てて一番タノシイよ。」
大学生活での、とんでもビッチとの話。サークルクラッシャーを何倍も酷くした女性の思考回路が垣間見れます。なんていうか、実際いそうというか、説得力があるんですよね。
39.乙嫁語り
- 作者: 森薫
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
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「山を越えて遠くの村から馬に乗ってやって来た花嫁さんは 花婿より8歳年上だった」
19世紀の中央アジアを舞台に、ある村に花嫁が嫁いでくる話。支倉凍砂によると、1冊の本を書くためには最低50冊の関連書を読むことが必要らしいですが、それを十二分に感じさせる綿密な設定、世界観。衣装とかの絵なんてもう、フェチズムの極致ですね。アミルさんくっそ可愛いです。
40.東京大学物語
「次なる妄想を創る時だ」
東大を目指す男女のエロ漫画。恋愛漫画。教職とってる江川達也らしい、教育論がふんだんに盛り込まれてます。そして後半にいくに従って、クレイジーでぶっとんだものになっていきます。
41.汝、神になれ鬼になれ
汝、神になれ鬼になれ―諸星大二郎自選短編集 (集英社文庫―コミック版)
- 作者: 諸星大二郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 文庫
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「たしかに奇想天外な創世記だ 聖書では神がつくったのはアダムとエヴァの男女であるのに… ここではじゅすへるという人類の祖先がもうひとりいる……」
東北の隠れキリシタン、古い中国、インディオ、現代日本、様々な場所での奇妙な出来事を描く諸星大二郎の自薦短編集。なんとも言えない読後感があります。
42.をのころん
「あれはシコっているんじゃない…シコらされているのよ!!」
※下ネタ注意
女子高校生が男の生態(主に性について)について学んでいく漫画。個室ビデオの回は一時ネットで話題になってましたね。キャバクラ、レンタルのAVコーナーなどをルポのような形で訪れてるのですが、妙なリアリティと、それを面白おかしく描いてるのが最高です。
43.濃縮メロンコリニスタ
「しまった11次元オヤジだ」
ニャロメロンの400以上の4コマが詰まってる本です。僕の最も好きな4コマ漫画家で、発想がとにかくすごいです。オチとしてのタイトルも秀逸で、ニヤっとしてしまいます。
44.夕凪の街 桜の国
「分かっているのは「死ねばいい」と誰かに思われたということ」
原発投下の10年後の広島を舞台にした話。僕が戦争やらを語ると安っぽくなってしまうので、それについては述べません。ただこの時代に、こんな風に生きて、こんな風に考えた人間がいたのだろうというリアルを、是非読んでみてください。
45.童夢
「子供よ 子供に気をつけなさい」
団地で起きた謎の変死事件を追う作品。漫画の歴史を変えたといっても過言ではない、伝説の作品ですね。
46.リアル
「そいつをまず認めろ」
車いすバスケ漫画。バガボンド読んでても思うけど、井上雄彦はどこに向かっているんだ、と思うほど人間の内面に向き合った作品。大好きです。
47.デビルマン
「地獄だ…ここは…人間が作りだした地獄だ!」
善良で純粋で正義感の強い少年が、悪魔人間デビルマンとなって戦う話。今活躍されてるクリエイターの方々に最も衝撃、影響を与えた作品なんでしょうね。特にクライマックス。
48.バーナード嬢曰く
「本は読みたいと思った時に読まなくてはならない」
読書家にスポットを当てたギャグ漫画。…といっても作者の読書好きは本物で、紹介してる本をついつい読みたくなってしまう。「ディックが死んで30年だぞ! 今更初訳される話がおもしろいワケないだろ!」みたいな毒舌が素晴らしい。
49.よつばと!
「いつでも今日が、いちばん楽しい日。」
好奇心旺盛な少女、よつばの日常を描いた作品。あずまきよひこといえば、今日氾濫する日常系の原点にして頂点ですね。僕がおっさんなのかもしれませんが、こういうイノセンスな姿をまざまざと見ていると、すごい泣けてきます。
50.アンダーカレント
「人をわかるってどういうことですか?」
風呂屋を営みながら、失踪した夫を探す話。この漫画はまるで映画のようで、切なくて、とても静かな物語。アンダーカレントには「表面の思想や感情と矛盾する暗流」という意味が込められています。人間の感情の一番底にある部分を見事に描いてて、凄く文学的な作品です。ていうか文学です。
※後編はまだですすみません…。選出は決まってるので近いうちに。
後編書けました
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