これは、悪魔の作ったゲームなのではないだろうか
ゲーム史や界隈に疎いので雑に説明すると、4対4で戦ういわゆるTPSに分類されるゲームなのだが、銃弾ではなくインクが出る、自チームの塗ったインクに潜って隠れることができる、仲間のいるところに飛ぶことができる、など任天堂ならではの発想が溢れており、発売当初から爆発的な人気を誇るゲームである。また洋ゲーのそれと違い、デフォルメされた可愛らしいキャラクターなども、人気の一助になったのかもしれない(女性子供にウケたのがでかいと個人的には思っている)。
これが、べらぼうに面白い。
出会いは衝撃だった。
2014年のE3。僕はたまたま、本当にたまたま偶然これを見ていた。当時の僕はゲームをほぼ全くしておらず、E3という存在すら知らなかった。
映像のインパクトは凄まじく、僕はすかさずスプラトゥーンの公式アカウントをフォローした。現在フォロワー100万人を超えているが、フォローした当初は1000人くらいだった気がする。
ゲームを一切していない人間が、買うかどうかも分からないゲームのアカウントをフォローする。最小限に見積もって、このゲームはそれだけの魔力を備えていた。
約1年後、スプラトゥーン発売。案の定、僕はそれをWiiUとともに購入していた。
それは、面白いなんてもんじゃなかった。圧倒的だった。これを“ゲーム”と呼ぶのであって、これが“面白い”の定義であって、人はこれをプレイする時間を“熱中する”というのだ、真剣にそう思った。
非常に残念ながら自分は社会人だったが、ありとあらゆる時間を削ってスプラトゥーンに興じた。具体的には、だいたい月に100〜150時間ほどプレイする生活が数ヶ月続いた。起きている時間はだいたい眠かったし、夢の中でもスプラトゥーンしていたし、現実世界でもインクを塗っている幻想を見た。盛ってるわけでも僕が特殊なわけでもなく、そんな人間がたくさんいたのだ。
しかも時代は大インターネット時代。戦術、セオリーは一瞬で広まり、化物みたいに上手いプレイヤーも可視化され、ゲーム内の環境やバランスも嵐のように過ぎ去っていく。
さらに、肝心のゲームの内容がまたヤバい。ウデマエを競い合うガチマッチというルールでは、基本的に試合中に脳を休める暇が全く無い。試合状況、人数把握、潜伏、駆け引き、フルスロットルで考えないと、一つのミスで試合の負け筋を作ってしまう繊細さがある。
で、僕はかなり頑張った。もちろん上には上がいるし、いわゆる強武器を使うことでしか勝てなかったが、一つの実力の指標であるカンストというものを達成できた。思い出すだけでゲロが出そうである。
しばらく経つとさすがにプレイ時間は減ってきたが、それでも毎月50時間くらいはプレイしていた。それほど面白いゲームだった。この生活は、スプラトゥーン2が出るまで続いた。
そして現在進行系でプレイしているスプラトゥーン2。
発売当初こそしばらくゲームバランスに難ありだったが、それでもやはり面白く、プレイ時間はだいたい1000時間くらいだ。
ガチマッチをすることで、ガチマッチをやめた途端「あれ…自分は何でわざわざこんな苦しい思いをゲームでしてたんだ…」という気付きと解放感と多福感を得るライフハック(4戦でバテバテ)
— りょこ (@ryo_coral) August 13, 2018
(了)
※追記
なんだかんだでここまではこれました。
順位はこの時点で1133位で、月末のランキングでは1209位でした。
で、武器を変えるとそこそこ勝てだしたので調子に乗ってちょいちょいガチマッチに潜っていたのですが、初対面でマッチングした味方の方から、僕のキルレート(成績のようなもの)が悪かったことから「地獄に落ちろ」というファンメール(Twitterでわざわざ絡んでいただいた)を頂き、流石に心が折れてしまいました。対人ゲームというか、インターネットは怖いところですね。
(了)